どの基準を重視するかで決まる組み合わせ
モニターの解像度とリフレッシュレートは、GPU性能、画面サイズと視距離、用途の3つで決まります。リフレッシュレートは1秒間に画面を書き換える回数で、単位はHzです。3つの基準が別々の答えを示すときは、GPU性能を優先してください。GPUが足りなければ、ほかの条件が合っていても性能を活かせないからです。
| 重視する基準 | 向く組み合わせ | 主な理由 |
|---|---|---|
| 競技FPSで勝つこと | フルHD・24〜25型・240Hz以上 | 高いfpsを出しやすく、画面全体を視野に収めやすい |
| GPU性能と画質のバランス | WQHD・27型・144〜180Hz前後 | 27型でも粗さが目立たず、GPU負荷は4Kより大幅に軽い |
| 重量級ゲームの映像美 | 4K・27〜32型・60〜144Hz | 精細さは最も高いが、上位クラスのGPUが必要 |
| 作業との兼用 | WQHDまたは4K・27型以上 | 表示できる情報量が増え、文字もきれいに見える |
GPU性能:描画するピクセル数がfpsを左右する
GPUの負荷はおおむね描画するピクセル数に比例します。フルHD(1920×1080)は約207万画素です。WQHD(2560×1440)は約369万画素で、フルHDの約1.8倍になります。4K(3840×2160)は約829万画素で、フルHDのちょうど4倍です。同じGPUと同じ画質設定なら、4KのfpsはフルHDより大きく下がります。fpsはGPUが1秒間に描画するフレーム数です。
モニターのHz数を活かすには、それに近いfpsが必要です。240Hzのモニターでも、ゲームが90fpsしか出なければ実質90fps分の滑らかさしか得られません。DLSS、FSR、XeSSといったアップスケーリング技術を使うと、低い解像度で描画して高解像度に拡大できるため、4KやWQHDのfpsを補えます。ただし、対応するゲームとGPUに限られ、画質や入力遅延への影響は設定によって変わります。どのGPUがどの解像度で何fps出るかはゲームごとに大きく違います。購入前に、遊ぶタイトルのベンチマークを執筆時点の最新情報で確認してください。
画面サイズと視距離:画素密度で粗さが決まる
同じ解像度でも、画面が大きいほど1インチあたりの画素数(ppi)が減り、粗く見えます。フルHDは24型で約92ppiですが、27型では約82ppiに下がります。27型のフルHDは、文字の輪郭やドットが目につきやすくなります。27型のWQHDは約109ppi、27型の4Kは約163ppi、32型の4Kは約138ppiです。
机の奥行きも条件になります。目安として、24型は50〜60cm程度、27型は60〜70cm程度、32型は70cm以上の視距離があると画面全体を見渡しやすくなります。奥行きの浅い机に32型を置くと、視線を大きく動かす必要があり、ゲームでも作業でも疲れやすくなります。
用途:競技FPS、重量級ゲーム、作業兼用
競技FPSでは、敵の動きを早く正確に捉えることが最も大事です。そのため解像度よりリフレッシュレートと応答速度を優先します。画面全体を一度に見られる24〜25型が好まれるのもこのためです。
オープンワールドやRPGのような重量級ゲームでは、精細さや色の表現が満足度に直結します。fpsは60〜100程度でも快適に遊べることが多いため、解像度を上げる価値があります。
作業と兼用するなら、表示できる情報量が判断材料になります。WQHDはフルHDより広い作業領域を確保できます。27型の4Kは文字が小さすぎるため、Windowsの表示スケールを150%前後に設定して使うのが一般的です。スケールを上げると作業領域はWQHD相当になりますが、文字の精細さは上がります。
組み合わせごとの弱点
フルHD・高リフレッシュレート
27型以上では粗さが目立ちます。作業領域も狭いため、作業兼用には向きません。また、フルHDで300fps以上を狙うとGPUよりCPUが先に限界になり、CPUの性能もfpsを左右します。
WQHD・144〜180Hz前後
バランスは良いものの、それぞれの分野の最上位にはなりません。競技FPSでフルHDと同じfpsを出すにはより強いGPUが必要です。精細さでは4Kに及びません。360Hz以上のWQHD製品もありますが、そのfpsを実際に出せる環境は限られます。
4K・60Hz
静止画の精細さは高いですが、動きの速いゲームでは残像や操作の遅れを感じやすくなります。競技FPSには不向きです。
4K・144Hz以上
4Kで100fpsを超えるには上位クラスのGPUが必要で、重量級ゲームではアップスケーリングに頼ることが前提になりがちです。モニター本体の価格も高くなる傾向があります。
購入前に確認する接続規格
高解像度・高リフレッシュレートは、接続規格が合っていないと出せません。HDMI 2.0の4K出力は60Hzまでです。4Kを120Hz以上で表示するには、HDMI 2.1か、DSC(映像圧縮技術)に対応したDisplayPort 1.4以降が必要になることが一般的です。モニターだけでなく、GPU側の端子とケーブルの規格もそろえてください。ケーブルが規格に対応していないと、ちらついたり設定したHz数を選べなかったりします。G-SYNCやFreeSyncなどの可変リフレッシュレート機能(fpsに合わせて画面の書き換えタイミングを変え、映像のズレを防ぐ機能)も、GPUとの対応状況をメーカー公式サイトで確認してください。
決める順番
最初に、今使っているGPU、または購入予定のGPUで、遊ぶタイトルが各解像度で何fps出るかを調べます。出せるfpsに近いHz数のモニターが候補になります。次に、机の奥行きから置ける画面サイズを決めます。そのサイズで粗く見えない解像度を選びます。最後に、GPUの出力端子と、モニターが仕様どおりのHz数を出すための接続条件を照らし合わせます。価格や製品構成は変動が速いため、候補を絞ったら販売店とメーカー公式サイトで執筆時点以降の仕様と価格を確認してください。